夜間や休日の勤務はライフスタイルに大きな影響があります。
この記事では薬剤師の「当直」と「夜勤」の勤務形態の違いと業務内容、メリット・デメリットについて紹介します。就職先選択のご参考にしてください。
1.薬剤師の勤務、当直と夜勤の違いとは
薬剤師の夜間勤務には「宿直」と「夜勤」という2つの勤務形態があります。
「宿直」とは夜間勤務の当直を指し、休日の日中勤務の当直は「日直」といいます。
①勤務形態
宿直は通常の日中勤務の後、続けて翌日の朝から昼頃まで継続して勤務します。
日直は休日の日中の勤務です。
宿直・日直とも通常の業務は行ないません。
業務は緊急時などに断続的に行ない、休憩や仮眠の時間も確保されます。
当直は法定労働時間に含まれず労働時間が増加するため、労働基準法による回数の制限があります。
限度とされる回数は宿直が原則週1回、日直が原則月1回です。
夜勤は夕方から朝まで通常の業務を行うシフト制の夜間勤務です。
2交代制では夕方から朝まで勤務しますが、3交代制の場合は夕方から朝までの間に勤務交代があります。
夜勤は法定労働時間に該当するため、回数の制限はありません。
②手当
当直は宿日直手当として通常勤務1日平均賃金の3分の1、夜勤は22時~翌5時までの勤務に対し通常の25%増の手当が支払われます。
③夜間勤務のある職場と業務内容
夜間勤務のある薬剤師のおもな職場は入院施設のある病院とドラッグストアです。
病院
病院での業務は入院患者の急変時や救急患者への調剤業務、医師や看護師からの相談への対応などです。
夜間は一人もしくは少人数での勤務となりますので、業務が集中した場合は多忙になります。
一人勤務の場合は相談できる人もいないので、十分な知識と能力、さまざまな状況への対応力、さらに他の医療職と連携のためのコミュニケーション能力も必要です。
ドラッグストア
24時間営業のドラッグストアでの夜間勤務は調剤業務に加え、接客や品出しなどの業務もあります。日中よりは少ない人数での勤務となるでしょう。
2.当直・夜勤のメリットとデメリット
メリット
- 手当分収入が上がる
- 1人または少人数での勤務のため知識や対応力が必要となり、スキルアップにつながる
- 平日の休日は混雑を避けて行動でき、平日しかできない用事も済ませられる
デメリット
- 夜間勤務の影響により体内時計が崩れ、体調を崩しやすくなる
- ミスが許されない医療現場で1人または少人数での勤務ため、ストレスを感じやすい
- 休みが合わないなど、家族や友人との時間が取りにくくなる
まとめ
夜間や休日の勤務は薬剤師としての成長につながりますが、自身の生活にも影響を与えます。
自分が薬剤師としてどう成長していきたいのか、どのような生活を送りたいのかを考えて就職先を選択しましょう。